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バレエで理想の体重は?成長期の過度なダイエットが厳禁な理由3選

2021年3月4日

バレエで理想の体重は?

この記事を読むと、バレエで理想の身長体重や、成長期に過度なダイエットは厳禁な理由が分かります。

うちの子バレエを習っているけどスレンダーって程ではないかも。バレエは体型が特殊な世界だけど、理想の体重はあるのでしょうか?今からでもダイエットさせたほうがいい?

こんな疑問に元バレエ教師がお答えします。

バレエと言えばスレンダーな体型を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

バレエを習わせていると、どうしても子供の体型が気になりますよね。

しかし、成長期の今ダイエットを行うと、得るものよりも失うもののほうが多いので注意が必要です。

この記事ではローザンヌ国際バレエコンクールが発表しているデータをもとに、成長期の体重についてお話しします。

ままりーな

成長期では体重を落とすことよりも身長を伸ばすことが最重要。体重を落とすことは大人になってからでも十分できますよ。

バレエで理想の体重を年齢別に紹介

レオタードの女の子

バレエの登竜門として有名な「ローザンヌ国際バレエコンクール」をご存じでしょうか?

最近では日本人の受賞者が出ると、テレビでも報道されてるようになってきたので、知っている方も多いと思います。

その「ローザンヌ国際バレエコンクール」がバレリーナでも痩せすぎていてはいけないと提唱しているのです。

こちらではこのローザンヌ国際バレエコンクールの発表しているデータをもとにお話ししていきます。

ローザンヌ国際バレエコンクールが提唱する年齢別BMIデータ

ローザンヌ国際バレエコンクールは、踊りだけでなく、健康状態や体重も審査に入れるコンクールです。

本選はスイスで行われるのですが、スイスに行く前にビデオ審査があります。

ままりーな

選考のために健康状態についての書類も主治医に書いてもらい提出するので、明らかに健康状態が悪いと書類選考で落とされる可能性もある珍しいコンクールです。

これだけダンサーの健康状態を気にしてくれる良心的なコンクールはなかなかありません。

そんなローザンヌ国際コンクールが発表している健康に関するデータに2歳から18歳までのBMI値が掲載されています。

この資料にかかれている「BMI値」をもとに年齢別でバレエで理想的な体重についてお話していきます。

ちなみに「BMI値」は身長と体重を使って計算することができます。

BMI計算方法

体重kg ÷(身長m×身長m)=BMI

身長はcmではなくmにしてくださいね。

電卓で計算するときは、体重kgを身長mで2回割っても大丈夫です。

ちなみに一般成人はBMI18.5~25が標準とされていますが、バレエダンサーの平均は18.7と言われています。

適正体重はBMI22で計算されることを考えると、バレエダンサーの平均がいかに低いかが分かりますね。

ローザンヌの資料の中には年齢別に3種類のBMI値が示されています。

  • grade1 低体重
  • grade2 深刻な栄養不足
  • grade3 非常に深刻な栄養不足

資料にはgrade2よりも下回るべきではないと書かれていますので、当ブログではこのgrade2のBMIをダンサーの最低体重と考えます。

grade3の値は使用しませんので、気になる方は直接資料をご覧ください。

また、女子の値のみ使用しています。

男子の値を知りたい方も直接資料をご覧いただければ幸いです。

ままりーな
ただBMIが低ければ良いわけではありません。BMIが低すぎると、初潮が遅くなったり、生理が止まってしまったり…将来子供を望んでも産めない体になってしまうことも。正しい知識を学ぶことが大切です。

バレエ男子の身長についてはこちらのバレエ男子の身長は死活問題!必要な身長と対策【テクニックより重要】でも詳しく解説しております。

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2歳~12歳

2-12歳 体重グラフ

こちらはローザンヌ国際バレエコンクールの資料にあるBMI値をもとに、日本政府の統計調査の資料にある各年齢の平均身長を当てはめて求めた体重と、同じく日本政府の統計調査の各年齢の平均体重をグラフにしたものです。

政府統計の総合窓口(e-Stat)https://www.e-stat.go.jp/

年齢が上がるにしたがって平均体重とローザンヌ資料をもとにした体重の開きが出てくることが分かります。

グラフにした数値を表に直してみましょう。

年齢 平均体重 grade1の体重 grade2の体重 平均身長 grade1のBMI  grade2のBMI
2歳12.2kg11.46kg10.74kg87.9cm14.8313.9
3歳13.9kg12.73kg11.97kg93.8cm14.4713.6
4歳16kg15kg14.10kg102.8cm14.1913.34
5歳17.9kg16.59kg15.58kg109.1cm13.9413.09
6歳20.8kg18.37kg17.19kg115.3cm13.8212.93
7歳23.3kg20.63kg19.22kg122cm13.8612.91
8歳24.7kg22.51kg20.87kg126.7cm14.0213
9歳29.8kg25.72kg23.74kg134.2cm14.2813.18
10歳31.7kg27.94kg25.69kg138.3m14.6113.43
11歳39.4kg33.01kg30.25kg148.1cm15.0513.79
12歳41.8kg34.91kg31.92kg149.5cm15.6214.28

表にすると具体的な数値がわかりますが、ざっくりと比べていただければと思います。

やはりgrade2は細すぎる印象ですよね。

本気でバレエダンサーを目指すのであれば、grade1の値を目標にするのがベストかなと思います。

ままりーな
とはいえ、まだ幼児~小学生なので、たくさん食べてたくさん動く。遊ぶ。ゲームばかりではなく、きちんと身体を動かすことが重要です。身体を動かして遊ぶことで、さまざまな運動機能の向上にもつながるので、結果的にバレエの上達にもつながりますよ。

13歳~18歳

13-18歳 体重グラフ

続いて13-18歳までのグラフです。

このころには体型の変化も出やすく、ダイエットにもより興味が出てくるお年頃かなと思います。

あくまでも平均身長から割り出した値なので、自分の体重と比べるだけでなくきちんとBMIを計算してくださいね!

こちらも同じく表にするとこうなります。

年齢 平均体重 grade1の体重 grade2の体重 平均身長 grade1のBMI  grade2のBMI
13歳45.6kg38.91kg35.54kg154.7cm16.2614.85
14歳49kg41.82kg38.23kg157.4cm16.8815.43
15歳51.6kg43.12kg39.49kg157.2cm17.4515.98
16歳50.2kg44.54kg40.89kg157.7cm17.9116.44
17歳51.6kg46.20kg42.45kg159.1cm18.2516.77
18歳51kg44.73kg41.11kg155.5cm18.517

このくらいの歳になると、平均身長に年齢による差がなくなってきます。

しかし、BMIは年齢とともに増加していることが分かります。

ままりーな
つまり、同じ身長でも年齢によって適切なBMI値は異なるということになりますね。

では、身長を固定して年齢別でどのようにBMIによって体重が変化するのかも見てみましょう。

年齢は15-18歳、身長は158㎝で固定してみました。

年齢 grade1の体重 grade2の体重 身長 grade1のBMI  grade2のBMI
15歳43.56kg39.89kg158cm17.4515.98
16歳44.71kg41.04kg158cm17.9116.44
17歳45.56kg41.86kg158cm18.2516.77
18歳46.18kg42.44kg158cm18.517

自分の身長を当てはめてみたい方はこちらの式を使って計算してみてください。

体重計算方法

理想のBMI ×(身長m×身長m)=理想のBMIの体重

身長はcmではなくmにしてくださいね。

電卓で計算するときは、理想のBMIに身長mを2回かけても大丈夫です。

本気でバレエをやっていて、プロも目指しているから痩せなきゃ!

…と思う気持ちはよくわかりますが、何年も同じ体重をキープすることでどんどん栄養不足になっていく危険性があることが分かっていただけましたか?

やみくもに痩せることしか考えていないと将来後悔する可能性もあります。

ままりーな

長く踊るためにも、痩せることよりも健康でいることを大切にしていきましょう。

こんな数値があのローザンヌ国際バレエコンクールから出されているなんて知らなかった…。たまに先生にもっと痩せなさいと言われいるみたいだから心配していたけど、正しい知識を知ることはやっぱり重要。先生は知っているのでしょうか…

成長期の過度なダイエットが禁物な理由3選

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理想の体重に近づけるためにダイエットを始めよう!

そう思うのはちょっと待ってください。

身体を作る大事な成長期に過度なダイエットを行ってしまうと、さまざまな問題が起こります。

ダイエットは身体が成長しきって大人になってからでも十分できますよ。

身長が伸びなくなる

成長期に身長が伸びなくなるとバレエダンサーにとって不利になります。

バレエ団、海外留学、配役など、バレエには身長制限がある場面がたくさん。

身長が足りないだけでバレエの可能性が一気に狭まってしまうのが現状です。

ままりーな

いくら細くてきれいでも身長が小さければできないことが多くあります。 海外に出たいと思っているならなおさら。

残念ながら、身長が低いとプロにはなれない可能性が大きくなるのがバレエ界の現実です。

反対に身長さえあれば大人になって適切なダイエットをしてきれいな体型になり、バレエ団で活躍できる可能性があります。

あなたはどちらを選びますか?

ままりーな
成長期にきちんと身長を伸ばすこと。これはバレエのスキルを上げることと同じくらいバレエダンサーにとって重要なことだと思っています。

バレエに身長が重要な理由はこちらのバレエに身長は必須条件!低いと困るバレエの残酷な現実と対策で詳しく解説しています。

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骨が弱くなりケガにつながる

成長期に必要な栄養素を取ることができないと、骨が弱くなり、大きなけがにつながります。

特にバレエダンサーは中足骨の疲労骨折など起こりやすいケガがいくつかあり、突発的ではなく慢性的に起こることが多いです。

通常の骨の強さなら耐えられるものも耐え切れずに大きなケガにつながり、長期間踊れなかったり、最悪バレエをあきらめなければならない事態になることも。

バレエのためにダイエットしたのに結局バレエが踊れない身体になってしまっては本末転倒ですよね。

ままりーな
バレエダンサーは身体が資本。健康体でなければどんなに美しい身体だったとしても踊ることができませんし、踊れたとしても観客に感動を与えることはできないでしょう。

成長期のバレエについてはこちらのバレエを成長期にやりすぎてはダメ!【日本のバレエ界は危険だらけ】をご覧ください。

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体力が落ち、体調不良になりやすい

成長期にきちんと栄養がとれていないため、体力もなくなり、風邪をひきやすい身体になってしまうことも。

バレエはとても体力を使います。体力だけでなく、脳もたくさん使うので、多くのエネルギーを必要とします。

ままりーな

必要な栄養を取らずにレッスンを行っても、体力が足りなくてレッスン後半のグランワルツが思うように動けない、頭が働かなくてアンシェヌマンがきちんと覚えられないなど、良いことは何もありません。

また、体調不良にもなりやすく、レッスンを休むことが増える可能性も。

レッスンをきちんとできなければ舞台で堂々と踊ること、ましてや全幕ものの主役なんて無理ですよね。

体力不足ではどんなにきれいな身体の持ち主でも、バレエダンサーとしては失格です。

やっぱり何事も基本は生活習慣。特に成長期は親がサポートしてあげることも大切ですね。

バレエっ子の食事制限についてはこちらのバレエっ子の食事制限のやり方【食べないよりも効率よく痩せる方法も】でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

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過度なダイエットしてはいけないのにバレエの体型にも近づかないといけない…

どうしたらこの2つをうまく両立していけるのかについてお話しします。

食生活を見直す

食事量を見直すのではなく、食生活を見直す。

これが成長期にはとっても重要です。

食事のチェックポイント

  • お菓子、ジュースばかりではありませんか?
  • 間食やドカ食い、隠れたところで何かを食べていませんか?
  • 痩せるために食事を抜いていませんか?

3食きちんと栄養バランスの取れた食事をしていたとしても、さらに間食をしていたらもちろん太る原因になります。

3食の量を減らしていたとしても同じことです。

間食やおやつを食べるくらいならきちんと毎食食べたほうが太りません。

食事を抜くとその分身体は栄養を欲するので、次に食べたものをより吸収しようとします。

そうなってしまうと、適切な量を食べていても異常に吸収され、太る原因に。

太りにくい食べ方

  • 3食きちんと食べる
  • お菓子やジュースはなし
  • 間食に気を付ける(間食の食事内容を見極める)
  • 夜遅くに食べない
  • 野菜を食べてから主食を食べる

ほんの少し気を付けるだけで身体は変わります。

痩せたい、痩せよう、痩せなきゃ…そう思い続けることでストレスとなり、過食に走ることも。

食べ物で痩せようとするよりも運動で痩せることを目指しましょう。

ままりーな
食事は楽しいもの。量を少なくして我慢しても心が先に疲れてしまいます。たまにご褒美タイムも作ってあげて制限はしすぎないようにしましょう。

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レッスン中の身体の使い方を見直す

バレエ体型になるためには、ダイエットよりも正しい身体の使い方ができているかが重要です。

どんなにダイエットで痩せようと頑張っても、間違った身体の使い方でレッスンを重ねていれば、脚はどんどん太くなります。

特に間違えている人が多いのはアンドゥオールの使い方です。

ままりーな

バレエの基本ポジションである1番~5番を作るときに、足首だけ真似して満足していませんか? 足首が外側に向けているだけではアンドゥオールとは言いません。

アンドゥオール=外旋=外側に回旋させる ということです。

股関節、膝関節、足関節すべて外側に向けるために脚の筋肉を外側に回して使うことをアンドゥオールと言うのです。

これがきちんとできていなければ、どんなに食事制限をしてもレッスンをすればするほど脚は太くなってしまいますよ。

ままりーな
足首だけ外側に回した状態でレッスンを続けていれば、その無理やりな形をキープするために大きな太い筋肉が大活躍してしまいます。それではレッスンすればするほど脚が太くなる負のループに陥ってしまいます。まずは正しい知識を身につけましょう!

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バレエレッスンだけでなく運動を積極的に行う

バレエのレッスンだけで痩せるのは難しいです。

毎日レッスンがあればよいのですが、そうではない人も多いのではないでしょうか?

ままりーな

バレエをやっているからと言って、学校の休み時間は外で遊ばない。休みの日は家でゴロゴロしている…そんな生活ではなかなか痩せません。

電車やバスで通学しているのであれば座らない立つ、バレエのレッスンがない日は外で思いっきり遊ぶ。

それだけでも骨に縦の圧力がかかるので、身長を伸ばすことにもつながります。

子供は子供らしく遊ばせてあげることも成長のためには重要なのかも。お稽古事で毎日忙しくさせるのではなく、外で思いっきり遊ばせてあげることも体型維持のためにも重要なんですね。

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まとめ:バレエで理想の体型は体重よりもまずは身長!

今回はバレエの理想体重についてお話ししました。

バレエダンサーには理想体重があるが、成長期に過度なダイエットは危険なこと。

痩せすぎているよりも健康でいることのほうが大切であることが分かっていただけましたでしょうか。

体重を落とすことは成長期ではなく、身体が成長しきってからにしないと、身長のせいで将来バレエ団に入れない可能性もあります。

ままりーな
体重を減らすことよりも身長を伸ばすこと。 成長期はこれを第一に考えてあげたいですね。

なぜバレエには身長が必要なのでしょうか?

詳しくはこちらのバレエに身長は必須条件!低いと困るバレエの残酷な現実と対策をどうぞ。

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