この記事を読むと、バレエコンクールに必要な練習量が分かります。

バレエコンクールに出る子ってどのくらいの練習をしているのでしょうか?レッスン場に行かなくてもできる練習はありますか?
こんな疑問に元バレエ教師がお答えします。
バレエコンクールに出ることになると、練習量が増えることがほとんどです。
基本的にはいつものレッスンを減らすことなく、コンクール用のヴァリエーションレッスンを増やします。
いつものレッスンを減らして特別レッスンを行うことは望ましくありません。
少なくとも週4回、1時間半~2時間程度のレッスンをこなし、そのうえでコンクールで踊る曲を練習する必要があります。

日本の学生は日中学校に行かなくてはならないので、どうしてもバレエにあてられる時間が少なくなってしまいます。だからといって、日ごろのレッスン量を減らすのであれば、コンクールには出ないほうが身体のためですよ。
バレエコンクールに必要な練習量

バレエコンクールに出ることになると、コンクールで踊る曲の練習が増えます。
しかし、それよりも大切なのは基礎レッスンであることを忘れてはいけません。
仮にコンクールのヴァリエーションばかり練習して、その踊りで1位を取ったとしても、バレエの基礎を理解していなければその踊り以外では認められないでしょう。
どんな踊りも踊れるようになるためには、きちんと基礎を理解して身に着けることです。
最低週4回のレッスン
私自身、小学校の頃は週2回のレッスンでコンクールに出場していました。
今思えば恐ろしい話です。

通っていたお教室が稽古場を借りて週2回のレッスンしかなかったので仕方がないのですが…当時の私と同じ状況の方は少し考え直した方が良いかもしれません。
基礎レッスンが少ない状態でヴァリエーションを踊ると、基礎ができないままテクニックを身に着けるので、身体に無理がある状態でテクニックを覚えます。
つまりそれは間違った身体の使い方なので、将来ケガのリスクが増えたり、バレエ体型になれないことも。

そして1度覚えた身体の使い方を直すのはとても大変な作業です。
実際に私も手術が必要なケガをしていますし、脚が太くて悩み続けていました。
こうならないためにも、最低週4回のレッスンができる環境で初めてコンクールを検討する方が良いでしょう。

バレエコンクールに参加し始める時期についてはこちらのバレエコンクールはいつから参加するべき?【異常な日本の現実】で詳しく解説しておりますので、合わせてご覧ください。
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頭ではなく身体で覚えるまで
頭で考えながら身体を動かしていることは、舞台上で再現することが難しいです。
本番はいつもと違う状況なので、場所のことや袖幕のことなど稽古場と違うことまで考えながら踊らなくてはなりません。
もちろん緊張もしますよね。

それなのに、いつも頭で「つま先を伸ばす」「アンディオールを忘れない」「指先まで意識する」などと考えて踊っていては、本番すべてそれらは頭から飛んでしまいます。
そうではなく、日ごろのレッスンで身に着けるべき基礎は身体に染み込ませてしまい、頭でいちいち考えなくてもつま先が伸びたり指先まで伸ばせるようにする必要があります。
だから基礎レッスンが大切なのです。

練習量よりも練習の質
練習量も必要ですが、それよりも練習の質にこだわりましょう。
例え週5~6回のレッスンをしていても、頭を使わずにただ身体を動かしているだけではバレエを練習したことになりません。
バレエは頭を使って身体の使い方を覚えなければ習得はできないですよ。

特に日本人は生まれつきバレエに適した身体の条件ではないことが多いので、それをカバーするためには頭を使うことが必要です。
レッスン回数が多すぎて疲れが取れないようであれば、レッスン回数を減らしてきちんと休養する方が上達することもありますよ。
成長期のレッスンのやりすぎは身体の成長を妨げる原因にもなります。
むやみやたらにレッスン量を増やすことよりも、1回1回のレッスンを大切にしていきましょう。

成長期のバレエについてはこちらのバレエを成長期にやりすぎてはダメ!【日本のバレエ界は危険だらけ】をご覧ください。
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おうちでできるバレエコンクールの練習3つ

稽古場に行かなくてもおうちでコンクールの練習ができます。
もちろん実際に踊ることは難しいと思いますが、それ以外にもできることはたくさんありますよ。
ストレッチや筋トレ等はコンクールに出るようなお子さんは行っていると思いますので、それ以外でお伝えしていきたいと思います。
イメージトレーニング
イメージトレーニングはとても大切です。
踊りを踊っているイメージをしながら気を付けることを頭に入れることができます。

先ほどもお話ししたように、頭で考えなくても身体が動くようにするためには、どこで何を気を付けて練習するかをあらかじめ整理しておくべきですよね。
例えば、「ここできちんとパッセを通る」「5番を意識する」「少し長めにバランスをとる」などなんでも良いです。
先生にアドバイスをもらったことを意識しながら曲を聴きます。
それを何度も繰り返すことで、無意識に身体が動くようになってきますよ。

役の研究
コンクールで踊るヴァリエーションにはその踊りの役や情景があることがほとんどです。
明るく活発な子の踊りなのに表情が暗かったり、病気を持っている役なのに元気すぎたりしては、表現力が良いとは言えません。

舞台背景がなくても、周りに人がいなくても、その情景が思い浮かべられる踊りを踊れるように、きちんと研究することが必要です。
例えば、オーロラ姫1幕のVaでは、4人の王子が周りにいるはずです。
コンクールではもちろん王子はいませんが、王子が見えてくるような踊りができる子に点数が入りますし、実際そのような子が入賞しています。
まずは役や踊りを理解することから始めてみましょう。

バレエの表現力のつけ方はこちらのバレエで表現力がある子になる方法【レッスンから表現力を鍛えよう】の記事で詳しく解説しています。
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動画鑑賞
今はYoutubeなどで気軽にバレエの動画を見ることができます。
人の踊りから学べることはたくさんありますよね。
音の取り方や表情のつけ方、間の取り方など…

真似したいと思う人の踊りを見つけて、どうしてその人の踊りを真似したいと思うのかを考えてみると、上手になるポイントが隠されていたりします。
例えば脚のラインを真似したいと思ったら、あなたの脚のラインはまだまだ改善できます。
豊かな表情を真似したいと思ったら、まだまだ研究の余地があります。
同じ踊りだけではなく、上手な人の踊りをたくさん見ると、もっと努力するべきポイントが見えてきますよ。

練習だけでなく休養も必要な理由3つ

練習したらその分休養も必要です。
休まずにレッスンを続けていてもデメリットの方が多いですよ。
少なくとも週1日は身体を休める日を作ってあげましょう。
ケガのリスク
身体が回復しきらないうちにレッスンを繰り返すと、思わぬケガにつながります。
レッスン中の不注意で捻挫や骨折をしてしまうこともありますし、成長期のお子さんは疲労骨折になりやすいです。

骨が成長している最中なので、まだ強度は強くありません。そこに慢性的な負担が多くかかると、疲労骨折になってしまうことも。
レッスンするときはレッスンする、休む時は休むとメリハリをつけたほうが集中力も続きますし、上達もしますよ。
大きなケガをしてしまってはコンクールはもちろんレッスンすらできない日々となってしまいます。

成長期のバレエダンサーと睡眠についてはこちらのバレエダンサーは睡眠もトレーニング!【成長期は疲労回復が最重要】もご覧ください。
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成長の妨げ
成長期にしか身長は伸びません。
休養せずにレッスンを続けていては、成長よりも疲労回復にエネルギーを使ってしまうため、思うように成長できない可能性があります。
バレエは体重もそうですが、身長も大切です。

特に身長は大人になってから伸ばしたくても伸びないので、成長期に注意して見守ってあげる必要がありますよ。
コンクールのために練習量を増やしてコンクールでいい成績を残せても、身長のせいでプロになれないこともあり得るのがバレエ界です。
先生の言いなりになるだけではなく、何を優先すべきか考えてあげることもママさんに出来ることですよ。

バレエに身長が重要な理由はこちらのバレエに身長は必須条件!低いと困るバレエの残酷な現実と対策で詳しく解説しています。
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練習の質の低下
いくら練習量が多くても、その質が良くなければ練習の成果が出ないどころか、ケガのリスクが高まります。
動かしたくても身体が思うように動かなかったり、頭を使いたいのに思うように集中できない状態でレッスンしても上達はしません。
そうなってしまうのであれば、中途半端なレッスンを行うよりもしっかりと休養しましょう。
身体も心も万全な準備ができて初めて意味のあるレッスンを受けることができますよ。

まとめ:バレエコンクールの練習量よりも質を重視しよう
今回はバレエコンクールの練習量についてお話ししました。
バレエコンクールに出るのであれば、最低週4回のレッスンは受けていたほうが良いでしょう。
レッスン回数が少ないと、バレエの基礎を身に着けることができず、中途半端な基礎でヴァリエーション踊ることになってしまいます。

建てるときと同じで、基礎をきちんとしないで上物ばかり作っていてもいつか崩れてしまいますよね。
バレエはヴァリエーションを踊ることよりもレッスンで基礎を身に着けることのほうが重要です。
レッスンがおろそかになってしまうのであればコンクールはまだ早いかもしれませんね。
反対に、レッスンのし過ぎも成長の妨げになってしまうので、きちんと休養を取ることも意識しましょう。

バレエコンクールに必要な持ち物についてはこちらのバレエコンクールに必要な持ち物リスト【これだけあれば安心】で詳しく解説しておりますので合わせてご覧ください。
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