コンクール

バレエコンクールはいつから参加するべき?【異常な日本の現実】

2021年6月13日

バレエコンクールはいつから参加するべき?【異常な日本の現実】

この記事を読むと、バレエコンクールにいつから出るべきか、コンクールよりも大切なことが分かります。

バレエの先生からコンクールに出てみないかとお誘いがあったのですが、まだトウシューズも履き始めたばかりで大丈夫でしょうか?他の子は出る子が多いみたいだけど、やっぱり小さいころから出してあげるべきですか?

こんな疑問に元バレエ教師がお答えします。

コンクールに誘われると、子供の頑張りが認めてもらえたようでうれしいですよね。

その反面、うちの子が出ていいのかという不安や、お金の面でも不安があると思います。

ままりーな

私自身の意見としては、小学校のうちから出場する必要はないという考えです。しかし、私自身小学4年生から数多くのコンクールに参加させていただいてきたのですが、その意味がなかったとは思っていません。

コンクールに出場できたからこそバレエに対するモチベーションが上がっていたのは事実ですし、もっと上達したいと思っていたのも間違いありません。

身体づくりや成長などを考慮するとあまりおすすめはしませんが、精神的な成長やバレエに対する情熱を持つという意味ではコンクールは良い働きをしてくれると思っています。

ままりーな

]結局いつから出場しても、本人がどのようにコンクール当日まで取り組み、本番で踊るかがとても重要です。早くから出場するメリットはありませんが、舞台上で一人で踊るという経験はかけがえのない財産となります。

バレエコンクールにはいつから出るべきか

バレエコンクールにはいつから出るべきか

バレエコンクールにはメリットもデメリットもあります。

出場することによって経験値は上がりますが、その分身体に悪い影響を与えてしまうことも。

海外では12歳になってから初めてトウシューズを履き始めるので、ヴァリエーションを踊るのは15歳くらいからが多いです。

ままりーな

そう考えると小学生から難しいヴァリエーションを踊っている日本は異常ですよね。

お稽古事としてのバレエが発展し、ビジネスになってしまっているのが日本の現状です。

早くからコンクールに出場して上位入賞しても、将来につながる保証はまったくありません。

早くから出場するメリットはあまりない

幼いころからコンクールに出場するメリットは多くありません。

経験が積める、同世代の子と触れ合えるというメリットはありますが、それ以上にデメリットが多いと感じています。

コンクールのデメリット

  • 身体が出来上がる前に、主役級のヴァリエーションを踊ることの身体への負担
  • ヴァリエーションの練習のし過ぎによる左右差
  • 基礎レッスン時間の減少

コンクールではトウシューズでヴァリエーション1曲を踊らなくてはなりません。

(プレコンなどでバレエシューズでも可であることもありますが、ここでは省きます。)

ヴァリエーションとは、主役やソリスト級の人が一人で踊るために作られた踊りです。

決して簡単ではありませんし、それなりに身体に負荷もかかります。

その練習をまだ身体が出来上がっていないうちに繰り返すことは、身体によくないことはママさんでも分かると思います。

ままりーな
仮に出場して1位を取ったとしても、それでプロになれるわけではありません。たとえ12歳で1位を取ったとしても、18歳でバレエ団のオーディションを受けるときにその経歴は参考にしてもらえないでしょう。受験で5年前の成績は問われないのと同じです。

また、早くからコンクールに出場することでお金も多くかかってしまいます。

お金をかけて身体を壊してしまったら悲しいですよね。

お教室の先生がどのような練習方法でコンクールに向けてレッスンをしていくのかをきちんと確認してから検討したほうが良いでしょう。

バレエコンクールに必要な費用についてはこちらのバレエコンクールにかかる費用とは?【参加費だけでは足りない現実】で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

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トウシューズできちんと踊れるか

トウシューズを履き始めてすぐヴァリエーションは踊れません。

きちんと基礎レッスンを重ねてきちんと立てるようになってからステップをつなげて踊れるようになるのです。

ままりーな

コンクールで小学生の部の予選をを見ていると、きちんとトウシューズで立てていない子も多いのが現実。

きちんとバレエを勉強している教師であれば、トウシューズで立てていない子にヴァリエーションを踊らせることはありません。

基礎レッスンを飛ばして、お金になりやすいコンクール出場に力を入れている先生も多いので気をつけましょう。

ままりーな
トウシューズはバレエの基礎が身についていることはもちろん、筋力もある程度必要です。最初からうまく立てなくても、きちんと指導を受けることで正しく立てるようになります。それよりも先にヴァリエーションの練習を行うことは極めて危険です。

成長期のバレエについてはこちらのバレエを成長期にやりすぎてはダメ!【日本のバレエ界は危険だらけ】をご覧ください。

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子供のころの受賞歴は必要ない

子供のころの受賞歴はオーディションに必要ありません。

オーディションに必要なのは、当日の実力です。

子供のころコンクールのためにヴァリエーションの練習ばかりしていたせいで、基礎がきちんと身についていなかった人は、プロにはなれません。

ままりーな

コンクールダンサーと呼ばれる過剰に魅せようとするような踊りに変な癖がついているダンサーも必要とされません。

踊りに個性は必要ですが、幼いころはそれよりも基礎を身に着けることのほうが重要です。

一番大切なことをおろそかにして栄光を勝ち得ても、将来にはつながらないので注意しましょう。

ままりーな
実際、小学生のころコンクールでよく入賞していた子が伸び悩んだりバレエをやめているというのはよくある話です。バレエ=コンクールではありませんよ。

バレエコンクールに出るメリット3つ

バレエコンクールに出るメリット3つ

バレエコンクールは良くないというお話をしてきましたが、もちろんメリットもあります。

出場するのであればきちんと自分のためになるように努力する必要がありますね。

目標ができる

発表会以外で舞台に上がるチャンスを得られるのがコンクールです。

しかも1人で舞台上で踊るという貴重な経験をすることができますよ。

そのために1つの踊りを磨き上げていくわけですので、コンクール当日に向かって努力するしかありません。

普段の単調なお稽古とはまた違った刺激もあり、バレエのモチベーションを高めるという意味ではとても良い経験になるでしょう。

ままりーな
しかし、あくまでも大切なのは基礎レッスン。レッスンよりもコンクールの練習に多く時間をとる先生には疑問を感じます。お教室の方針は確認したほうが良いでしょう。

通っているお教室がダメなバレエ教室ではないか不安な方はこちらの日本はダメなバレエ教室だらけ!【プロを目指すならまず教室選び】で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

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舞台度胸がつく

舞台度胸は本番でしか身につきません。

緊張してしまうことも多いと思いますが、何事も経験です。

大人になればなるほど舞台が怖くなってしまいがちですが、幼いころから舞台を経験しているとそれもあまりなくなります。

怖いもの知らずの幼いころから舞台に慣れることで大人になってからも舞台で実力を発揮しやすくなるかもしれないですね。

ままりーな
あくまでも心理的なことなので、その子によって感じ方は違うと思います。私自身、幼いころから舞台を経験してきたのでそれは親に感謝しています。

バレエを学ぶ機会

コンクールでヴァリエーションを踊るためには、振り付けだけでなく、踊りの背景まで学ぶ必要があります。

その踊りはどんな役の踊りで、どんなシーンで踊られるのか。

どんな感情を伝える踊りなのか…。

これらをきちんと理解していないと、その踊りを表現することはできません。

踊りの練習だけでなく、調べて学ぶこともとても大切ですし、良い経験になるでしょう。

ままりーな
舞台上で一人で役を表現しきることはなかなか難しいことです。それを経験できることはとても貴重なチャンスと言えるでしょう。

バレエの表現力のつけ方はこちらのバレエで表現力がある子になる方法【レッスンから表現力を鍛えよう】の記事で詳しく解説しています。

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バレエコンクールよりも大切なこと

バレエコンクールよりも大切なこと

コンクールにはメリットもデメリットもありますが、コンクールに出る前に考えてほしいことがあります。

まず、成長期には正しい身体づくりをする必要があること。

コンクールに出ることによって身体に左右差が生まれ、ゆがみの原因となってしまっては将来的に身体に支障が出てしまうこともあります。

心配なときは、お教室の先生がどのような考えでコンクールに出したいのかを聞いてみるのがよいですよ。

正しい身体づくり

コンクールに出ることによって、一番大切な基礎レッスンがおろそかになっていては意味がありません。

バレエは基礎が一番大切です。

どのようなステップも分解していくと必ず基礎のポジションにたどり着きます。

ままりーな

そのポジションをきちんと理解できていないまま踊りこんでいても、間違った身体の使い方を一生懸命覚えさせていることになってしまうのです。

一つの踊りを踊りこむことも大切ですが、その踊りだけをずっと踊り続けるわけではありません。

どんな踊りでも対応できる身体を作るためにも、コンクールレッスンよりも基礎レッスンを大切にすることを忘れないでくださいね。

ままりーな
バレエで大切なのは基礎レッスン。基礎レッスンがきちんとできていれば、ヴァリエーションを踊ることも簡単になります。まずは身体に基礎を覚えさせなくてはならないことを忘れずに、正しい身体の使い方を覚えていってほしいですね。

成長に合ったレッスン

ヴァリエーションに難しいテクニックがあるからといって、レッスンの内容を難しくするのは間違っています。

そのテクニックができるレベルまで違うヴァリエーションにするか、振り付けを少し変えるべきでしょう。

ままりーな

テクニックを練習することも大切ですが、身体が変わる時期のテクニックの習得は難しいことです。

身長や体型が変わり続けるのですから、日々身体の感覚も変わってきます。

また、難しすぎるテクニックはケガのリスクも高くなります。

その子のレベルに合った曲や振り付けを模索してあげましょう。

コンクールで入賞しやすいVaについてはこちらのバレエコンクールで入賞しやすいVaとは?【それで成長できますか】で詳しく解説しておりますので合わせてご覧ください。

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身長を伸ばす

コンクールに出ることで練習量が増え、睡眠時間が減り、身長が伸びなかったとしたら、プロになれる確率は下がってしまいます。

バレエ団に入るためには、ある程度の身長が必要不可欠です。

しかし、身長が伸びるのは成長期のみの短い期間しかありません。

ままりーな

大人なになってから、やっぱり海外のバレエ団に挑戦したいから身長を伸ばしたいと思っても、伸びるものではありませんよね。

また、過度の運動も身長が伸びるのを妨げるとも言われています。

コンクールに熱心になりすぎている先生には注意したほうが良いでしょう。

ままりーな
私は身長に泣かされ続けたバレエ人生だったので、成長期に戻れるなら背を伸ばすためになんでもします。そのくらいバレエと身長は密接にかかわっていますよ。

バレエに身長が必要な理由はこちらのバレエに身長は必須条件!低いと困るバレエの残酷な現実と対策をご覧ください。

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まとめ:バレエコンクールにはいつから出てもいいが早くてもメリットはない

今回はバレエコンクールにいつから出るべきかということについてお話ししました。

コンクールにはメリットもデメリットもあるので、いつから出ても良いと思いますが、早いからといってメリットはあまりないでしょう。

ままりーな

成長期はコンクールの練習を頑張ることよりも、身長を伸ばしたり、正しい身体づくりをすることを優先したほうが良いと思いますよ。

コンクールで上位入賞したからと言って将来が決まるわけではありません。

もちろん、スカラシップなどで進路が決まることもあると思いますが、多くが中学生以上でしょう。

そのころまでは身体づくりをメインに、基礎レッスンに励むことをおすすめします。

ままりーな
コンクールは魅力的ですが、いいことばかりではありません。コンクールに出たからえらい、予選通過したからすごいわけではなく、あくまでも自分の成長を目標に、日々のレッスンのスパイスとして挑戦してみるのは良いかもしれません。

バレエコンクールに必要な持ち物についてはこちらのバレエコンクールに必要な持ち物リスト【これだけあれば安心】で詳しく解説しておりますので合わせてご覧ください。

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