この記事を読むと、バレエコンクールで入賞しやすい曲やVaの選び方が分かります。
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今度コンクールに出ることになって、どの曲を踊るか悩んでいるんだけど…入賞しやすいヴァリエーションってあるのでしょうか?うちの子に合ったVaの選び方を教えてほしいです。
こんな疑問に元バレエ教師がお答えします。
コンクールでどの曲を踊るのかは悩むポイントでもありますよね。
お教室の先生が決めてしまうこともほとんどだと思いますが、せっかくなら入賞しやすいVaを踊らせてほしい…と思っているママさんは意外と多かったですよ。
しかし、入賞しやすいヴァリエーションってあるようでないのと同じなのが現実。
本人が踊りこなせるようになる踊りが一番その子にとって入賞しやすい曲になるでしょう。
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ただし、コンクールで入賞したとしても、賞状がもらえる以外にあまり意味はないと思っています。コンクールで入賞するために出場するのであれば、それはお金の無駄と言っても過言ではありません。
バレエコンクールで入賞しやすいヴァリエーション
![バレエコンクールで入賞しやすいヴァリエーション](https://www.ballet-blog.com/wp-content/uploads/2021/05/72.jpg)
入賞しやすいVaとはどのようなものでしょうか。
まずは自分の長所を理解して、どんな踊りが踊りやすいかを知っておく必要があります。
その子にとって入賞しやすい曲=その子にとって踊りやすい曲ということを頭に入れてお読みください。
演目によって入賞するわけではない
バレエコンクールは選んだVaによって点数が変わるわけではありません。
難しいVaを選んだからと言って、それだけで点数が上がるなんてありえないのです。
ひと昔前のコンクールでは、たくさん回っていたり、異様に脚が上がっていたりと、テクニックばかりが注目されていたこともありました。
しかし、それは本来のバレエから離れていることはお分かりいただけると思います。
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海外のバレエ学校の生徒は、日本のように幼いころから主役が踊るヴァリエーションを踊ることはありません。
それは身体の負担にもなりますし、まだ踊る段階ではないと認識されているからです。
本当に生徒のことを考えた先生であれば、必要以上に難易度の高いVaを踊らせることはありませんよ。
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レベルに合ったバリエーション
バリエーションにはそれぞれ難易度があります。
振り付けや音のスピードなどが全く異なるため、踊りやすさはさまざまです。
初めてのコンクールに出る子が、テクニックもたくさん入った黒鳥のVaを踊るとしたら、精神的にも身体にもよくないですよね。
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振り付けの難易度に加えて、表現の難易度もさまざまです。
例えば、例に挙げた黒鳥のVaであれば、王子を誘惑する踊りなので、それを表現しなければなりません。
よく小学生の部でも踊る子を見かけますが…当たり前ですが表現できるわけがないですよね。
(それでも上位に入賞しているコンクールもありますが…審査員の好みとはいえ私は納得いかないです。)
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バレエの表現力のつけ方はこちらのバレエで表現力がある子になる方法【レッスンから表現力を鍛えよう】の記事で詳しく解説しています。
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バレエで表現力がある子になる方法【レッスンから表現力を鍛えよう】
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長所を生かせるVa
自分が見せたいものを見せられるVaを選びましょう。
長所をうまくアピールすることができれば高得点につながる可能性もあります。
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回転系やジャンプ系、つま先を見せたり、バランスを見せたり、アレグロの足さばきを見せることもできますね。
それぞれのヴァリエーションには特徴があります。
自分が得意だと思うステップが入っているものを選べば、アピールできる場面が多くなりますよね。
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とはいえ、プロを目指すのであればやはりどんな踊りも踊れるのが理想ですよね。
いつも得意なものばかりではなく、たまには雰囲気を変えて挑戦してみる方が良い経験になると思いますよ。
コンクールに慣れてきたころには、ぜひ違う雰囲気のものにもチャレンジしてみてほしいです。
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バレエでプロになれる子についてはこちらのバレエでプロになれる子とは?【コンクール入賞よりも大切な才能】で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
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バレエでプロになれる子とは?【コンクール入賞よりも大切な才能】
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入賞しやすいバレエコンクール
![入賞しやすいバレエコンクール](https://www.ballet-blog.com/wp-content/uploads/2021/05/71.jpg)
近年バレエコンクールは数えきれないほど多く存在します。
つまり、バレエコンクールと一言で言っても、入賞のしやすさは全く異なります。
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よく「〇〇コンクールで××賞受賞!」なんて見かけますが、その××賞は実は参加者全員もらえていたなんてこともあるのです。
コンクールに出る目的が入賞なのであれば、参加者のレベルが低く、賞がたくさん用意されているコンクールに出場すればよいでしょう。
ただし、そこには何の価値も見出せませんよ。
バレエコンクールのレベルは様々
全国から参加者が集まり、参加者の多いコンクールはレベルが高いです。
そのようなコンクールは歴史が長いことが多いですよ。
たいていバレエコンクールは「第〇〇回××バレエコンクール」というように開催回数が書かれているので、確認してみてくださいね。
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レベルが高いと言われる東京新聞主催の全国舞踊コンクールは80回ほど開催されていますし、日本バレエ協会主催の全日本バレエコンクールでは、アンシェヌマンやコンテンポラリーの審査もあり、ローザンヌのような審査形式がとられています。
一方、予選決戦がないコンクールは期間も短く、参加費も比較的安いことが多いです。
しかし、参加しやすさを売りにしているため、賞が多すぎるくらい多いかなという印象があります。
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入賞してもあまり意味はない
入賞したからプロになれるという保証はどこにもありません。
むしろ小学生のうちからコンクール上位慣れしてしている子がプロになったケースは少ないさえと感じています。
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世界的に見れば、日本のコンクール熱は異常です。
幼いころからヴァリエーションを踊らせる国はそう多くはありません。
特にバレエ学校でしっかりとバレエを習う子は15歳くらいまでVaを踊ることはないそうですよ。
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海外ではVaを踊ることよりも基礎を身につけることを重視したバレエ教育が行われています。
日本ではそれを飛び越えてヴァリエーションを踊りこなすことを求められている…なんともおかしな状況です。
それでも、コンクールに出場しなければ留学の機会に恵まれなかったり、舞台に上がるチャンスがないこともあるでしょう。
バレエコンクールは日本だからこそ経験できるチャンスと考え、ぜひ成長の場にしてもらえればと思います。
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コンクールのレベルと審査員の好み
入賞者はそのバレエコンクールの審査員の好みで決まります。
バレエは芸術であるため、バレエをを正確に点数化することは不可能です。
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つまり、観客=審査員がその踊りをどうとらえたかが重要になってきます。
もちろん基礎はありますので、基礎ができているかといった観点では点数化することができるとも言えますが…演目によって振り付けもバラバラで、フィギュアスケートのように入れなければならないテクニックがあるわけでもありません。
結局は審査員が良いと思った参加者に高得点が与えられるのがバレエコンクールなのです。
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また、コンクールはあくまでもその参加者の中で決められた順位です。
100人規模のコンクールで1位をとるのと1000人規模のコンクールで1位をとるのでは難易度が違いますよね。
上位入賞したからといって自慢できることは何もないと思いますし、予選落ちしたからと言ってそれで将来あきらめる必要もありません。
成長期のお子さんにとって重要なのはどれだけ成長できるかということだと考えています。
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成長期のバレエについてはこちらのバレエを成長期にやりすぎてはダメ!【日本のバレエ界は危険だらけ】をご覧ください。
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バレエを成長期にやりすぎてはダメ!【日本のバレエ界は危険だらけ】
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バレエコンクールで入賞できるVaの選び方3つ
![バレエコンクールで入賞できるVaの選び方3つ](https://www.ballet-blog.com/wp-content/uploads/2021/05/40.jpg)
入賞しても意味がないのは分かったけど、やっぱりせっかく出場するのだから入賞しやすい曲を選びたい!
そう思っている方も多いと思います。
ここからは実際にその子に合ったヴァリエーションの選び方についてお話ししていきますね。
ただし、コンクールに何度も挑戦したことのある人は踊りやすい曲ばかりでなく、こんな風に踊ってみたい!と思える曲も選ぶことをおすすめします。
年齢やレベルに合った演目
ヴァリエーションにはそれぞれ基本の振り付けがあります。
その振り付けをきちんとレッスンでこなしている踊りの中から選ぶのが良いでしょう。
Vaの振り付けを大きく変えてまで踊っている人も見かけますが…それは振付家に失礼ではないでしょうか。
特に初めてのコンクールでは落ち着いて踊れるテンポも遅めのVaがおすすめです。
初めてにおすすめ
- フロリナ王女のVa
- ペザントのVa
- 白鳥のパドトロワよりVa
こんな感じでしょうか。
キューピッドのVaやリーズのVaも曲が短いため悪くはないですが、テンポが速く、回転も多く、実はとても大変なVaですよ。
上にあげた3つはテンポがゆっくりなので、一つ一つのステップをきちんと練習しやすいのでおすすめです。
慣れたころにおすすめ
- キトリ3幕のVa
- オーロラ姫3幕のVa
- スワニルダ3幕のVa
主役の踊りをあげてみました。
それぞれドン・キホーテ、眠れる森の美女、コッペリアと有名な全幕ものの主人公の踊りです。
その物語をきちんと勉強すれば主人公のことも分かりますし、表現もしやすいほうだと思いますよ。
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雰囲気にあったヴァリエーション
その子の雰囲気に合ったヴァリエーションを選ぶこともおすすめです。
自分のことで申し訳ないですが、私は姫系の踊りはあまり似合いませんでした。(身長が低かったのもありますが…)
キトリやスワニルダ、リーズなどの町娘、村娘系のほうが踊りやすかったです。
このように、その子の踊りの特徴をよく見て判断するのも一つの手だと思いますよ。
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得意を生かせて苦手が少ないもの
コンクールで見せ場を作るのは踊りのメリハリをつけるためにも大切なことです。
そのために、自分がこれは自信がある!というステップが入っているものを選ぶと良いでしょう。
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例えば、ジャンプが得意な子はジャンプが多め、回転が得意な子は回転系が多めなど…他にもつま先がきれいな子はバロネなどつま先を強調できるステップが入っているものも良いですね。
反対にそれぞれ苦手があればそのステップが少ないものも良いでしょう。
ただし、これはやりすぎに注意です。
コンクールでは同じ踊りばかり練習するため、苦手なものも多少含んでいる曲のほうが成長につながります。
いろいろなキャラクターを演じることも勉強になりますので、コンクールになれたころには様々なヴァリエーションに挑戦してみてくださいね。
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まとめ:バレエコンクールで入賞しやすい曲で成長できるとは限らない
今回はバレエコンクールで入賞しやすいVaについてお話ししました。
入賞しやすいVaはその子に合ったVaであり、身体のためにもレベルに合ったヴァリエーションを選ぶことをおすすめします。
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ただし、得意なものばかり選んでいてもなかなか成長にはつながらないので、さまざまなVaに挑戦するほうが良いでしょう。
コンクールよりも大切なのは日々のレッスンです。
日々のレッスンがおろそかになってしまうのであれば、コンクール出場は考え直した方がいいかもしれませんね。
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