この記事を読むと、バレエと勉強を両立する方法が具体的に分かります。
バレエに一生懸命になるのは良いけど、勉強もきちんとしてほしい。バレエと勉強を両立するコツってあるのでしょうか?
こんな疑問に元バレエ教師(元ダンサー兼国立大生)がお答えします。
日本のバレエっ子は昼間は学校で勉強して、夜はバレエ教室で遅くまでレッスンという生活をしている子がほとんどだと思います。
他の友達は塾に通ったり自分で予習する時間があったりするのに私にはそんな時間はないと思って勉強をあきらめていませんか?
私も皆さんと同じような生活をしていましたが、中学では常に成績トップ、高校でも高順位キープで国立大学に進学しましたよ。
なので、結論としてはバレエは勉強ができない言い訳にはならないということです。
もちろん学校の成績が良いからえらいとか、国立大に進学したからすごいとかそういう話ではなく、自分で自己管理をきちんとすればバレエと勉強の両立はいくらでもできるというお話です。
どんなにやりたいことが山積みでも時間は1日24時間しかありません。
そして、ダンサーになりたければ睡眠時間は削るべきではありません。
では、どうすればバレエと勉強の両立ができるのか。
それは、時間の使い方をうまくすることがとても大切です。
バレエと勉強を両立する方法3つ
実際に私が学生時代に行っていたバレエと勉強を両立する方法をご紹介します。
- やるべきことはやるべき場所で終わらせてしまう。
- 無駄な時間は作らない。
これはいつも心がけていましたよ。
あとは負けず嫌いな性格も大きく作用してくれていたように思います。
勉強は学校で完結させる
課題や宿題などは学校で終わらせましょう。
学校から直接稽古場へ向かう生活だったので、学校を出ると机に向かえるのは寝る前になってしまいます。
レッスンの後では宿題をやり忘れてしまったり疲れて頭が働かないこともあったので、宿題や課題は休み時間に終わらせていました。そうすれば学校を出た後はバレエのことに集中できますよ。
また、ノートの取り方も基本的には黒と赤ペンのみ。
そうすると、定期テスト前にそのまま暗記ノートとして利用することができるので、わざわざ暗記用にノートを作る手間が省けておすすめです。
もちろん授業や宿題などで分からないことは、先生や友達に聞いて学校で解決しておきます。
自分で調べることも大切ですが、教えてもらえることは教えてもらった方が早く解決できますよ。
勉強方法のポイント
- 勉強は学校で完結させる
- ノートは最初から定期テストの暗記ノートになるように書く
- 授業ですべて理解する
- 分からないことはすぐに解決する
レッスンで疲れているので授業中に寝てしまう人も多いと思います。
私も実際高校時代はよく寝ていました…(小声)
でも、それもどんな授業でも寝ても良いのではなく、寝てしまうとわからなくなってしまう苦手な教科(特に理系)や先生が厳しい教科(笑)はきちんと起きていましたよ。
寝てしまっても教科書を見ればなんとなくわかる暗記系の授業が寝るのにはおすすめです。(現社や歴史の先生ごめんなさい!!)
テスト前は早起き
定期テスト前は早起きをして勉強しましょう。
夜遅くまで起きて勉強しても、レッスンで疲れているのであまり覚えていないですよ。
きちんと寝てから早起きして勉強したほうがはるかに効率が良いです。
しかし、ダンサーは睡眠がとても大切なため、あまりおすすめはしません。きちんと授業で理解することのほうが大切です。
寝ている間に筋肉も修復されますし、身長も伸びます。
毎日ではなく、テスト前の時期だけと決めて早起きしてみるのがおすすめですよ。
バレエに身長が重要な理由はこちらのバレエに身長は必須条件!低いと困るバレエの残酷な現実と対策で詳しく解説しています。
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バレエに身長は必須条件!低いと困るバレエの残酷な現実と対策
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すきま時間の有効活用
すきま時間は暗記科目を覚えるのにおすすめです。
暗記モノを覚えるのに机は必要ないため、電車や車などの移動時間、稽古場の更衣室など、どこでもできるのですきま時間にぴったり。
私は基本的に暗記モノは電車の中で覚えました。 それでもきちんと点数取れてましたよ。
先ほどもお話ししましたが、わざわざ暗記ノートや単語帳のようなものを作るのはとても大変なので、授業中のノートと併用できるように最初からしておきましょう。
どうしても授業のノートと分けたければ、一緒に授業中に作ってしまうのもおすすめです。
そうするとテスト範囲が終わっていなくても、最初の部分から覚え始めてしまうことができますよ。
バレエと勉強の両立させて成績を上げる方法3つ
出来れば受験は推薦で受かりたいと思いませんか?
私は一般試験用に勉強するのは範囲が広すぎて大変だと思ったので、推薦で進学したいと思っていました。
そのためには学校の成績は超重要。
学校の成績を上げる努力をした結果、高校受験時の中学の内申点は満点でオールAでした。無事高校は推薦で受かり、(倍率30倍ほど)大学も推薦で受かりました。(倍率90倍ほど)
大学は舞踊関係なのでバレエの実力も加味されていますよ。
推薦で合格するために、内申点をあげるには秘訣があります。
学校自体のレベルも関係してくると思いますが、まずは先生から嫌われないことが大切です。
学校の先生と仲良くなる
学校の先生も人間です。
好きな子には優しくしたくなり、嫌いな子には厳しくしたくなります。
知り合いに実際に教師をしている人がいますが、やはり授業を真剣に聞いてくれる子は成績上げたくなるし、寝てばかりの子はテストの採点を厳しくしたくなるものだそうです。
すべての先生がそうではないかもしれませんが、先生と仲良くなっておいて損はないと思いませんか?
私はなるべく先生に自分から話しかけるようにしたり、質問をしに行ったり、先生と話す機会を多くするようにしていました。
それが良かったのかはわかりませんが、嫌われてはいなかったと思います。
移動時間は勉強時間
成績を上げるには、やはりテストの点数は重要です。
テストで点を取るために、テスト前はきちんと勉強しました。
どうしても終わらない、どうしてもこのままではいい点が取れなそうという時はレッスンをお休みしたこともあります。
テストが心配な日は結局レッスンに行っても集中できないので、思い切って休んでしまいました。
しかし、なるべくレッスンは休みたくなかったし、テストでいい点も取りたかったので、移動時間は常に勉強を心がけていましたね。
今でも振り返ると当時は本当に頑張っていたと思います。
その結果、テストでもいつも上位をキープすることができました。
睡眠時間は削らない
寝る時間を削って勉強しても得られるものより失うもののほうが大きいです。
疲れた状態で勉強しても頭にほとんど残らないですし、身体の疲れも取れません。
それでは勉強もバレエもうまくいくわけないですよね。
やみくもに勉強すればよいのではなく、勉強する時間、バレエをする時間、寝る時間をきちんと区別しましょう。
先ほどもお話ししましたが、寝る時間を削るのであれば、早起きがおすすめです。
夜よりも疲れがとれているので頭に残りますよ。
でも、本当に必要な時にだけにしましょうね。
成長期のバレエダンサーと睡眠についてはこちらのバレエダンサーは睡眠もトレーニング!【成長期は疲労回復が最重要】もご覧ください。
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バレエダンサーは睡眠もトレーニング!【成長期は疲労回復が最重要】
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バレエと勉強の両立を支える声かけ
私がバレエだけでなく勉強にも力を入れていたのは、父親が「成績が下がったらバレエはやめさせる」と言っていたからです。
本気だったかはわかりませんが、「バレエはやらなくても生きていけるけど、勉強ができなければ大人になって困ることが多いんだよ。」とはよく言われていました。
それに関しては確かに。と私も納得していたため、バレエをやめても他の道を探せるように勉強も頑張ろうと思ったのを覚えています。
勉強も必要であることを伝える
バレエダンサーは寿命が短く、いつケガで踊れなくなるかわかりません。
勉強しなくてもバレエは踊れますが、バレエが踊れなくなったときに困るのは目に見えます。
勉強は学生時代はする意味があまり分からなかったですが、大人になってあの時たくさん頭を使っていてよかったなと思いますよ。
また、ダンサーでなくてもバレエと関わる仕事をしたいと思ったときに、勉強ができないと困ることはたくさんあります。
例えば治療家になりたければ、解剖学など人体のことを知らなければならないですよね。
これって生物の授業で基礎的なことは習っています。
バレエの美術や衣装を作りたいと思ったら、色の配色や技術的なことのほかにも、ヨーロッパの歴史を知っていなければなりません。
バレエ教師も物理を知っているとバレエの見方や教え方が変わりますよ。
バレエに熱心なお子さんに休んでまで勉強をしなさいというと反発されるかもしれません。
しかし、バレエ以外にも大切なことはたくさんあるし、勉強することで将来が広がったり、バレエの見方も変わることをぜひ伝えてあげてください。
勉強のためにレッスンを休ませない
テスト前は勉強しなくてはいけないからレッスンを休みなさいなんて言わないでください。
それでレッスンを休んでもきっと勉強に集中できません。
そしてさらに勉強に嫌なイメージがついてしまいますよ。
レッスンを休む必要があると思ったら本人が自分で休むと言います。 そうでなければ自分で時間を作って勉強していると信じてあげましょう。
もしそれで失敗しても大丈夫。
失敗があるから次はもっとこうしようと思えるので、失敗はたくさんさせてあげてくださいね。
バレエが伸びる時期についてはこちらのバレエにも伸びる時期がある!上達のために意識したい環境づくりも合わせてご覧ください。
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バレエにも伸びる時期がある!上達のために意識したい環境づくり
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基本的に口出ししない
勉強しなさいと言われるとやる気をなくすのはよく聞く話ですよね。
やりなさいと言われてやったことってあまり身についていません。
これはバレエでも同じだと思っています。
自分でこれはこうしなきゃいけない、こうなりたい。と思えるようにならなければ何も根本は変わりません。
もしテストの結果や成績が悪ければ、「あなたはこれでいいの?」と聞いてあげてください。
ダメだと思ったら努力するはずです。
それでもいいと思っていたら勉強の大切さや自分で考えることの大切さを教えてあげるといいかもしれません。
きっとそれはバレエの上達にもつながりますよ。
まとめ:バレエと勉強の両立ができてこそダンサーとしての自己管理につながる
今回はバレエと勉強の両立についてお話ししました。
バレエと勉強を両立するためには学校での時間の使い方が大切で、家でできない分の勉強はすきま時間に積み重ねることが大切です。
何をどの時間にやるのか、ダラダラしてしまいたいのを我慢して時間を有効に活用することが両立のポイントですよ。
バレエと勉強の両立ができれば、ダンサーとしての自己管理力にもつながります。
人生全体で見れば本当に少ない学生時代なので、バレエも勉強も思いっきりしてほしいです。
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